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モン・ヴァントゥ――“プロヴァンスの巨人”と呼ばれるこの峠は、ツール・ド・フランスでの登場回数こそ18回と多くはないものの、その存在感はまさに象徴的です。
この山が伝説と化している理由は多岐にわたります。1967年にトム・シンプソンが命を落とした悲劇、3年後にエディ・メルクスが“野獣”を制した勝利、2000年のパンターニ対アームストロングの名勝負、そして2016年にクリス・フルームがバイクを失い走って登ったシーン——いずれも記憶に残る出来事ばかりです。
そして今日のツールでも、その“巨人”が再び歴史を刻みました。
勝利を飾ったのはフランス人のヴァランタン・パレ=パントル(SOQ)。ベン・ヒーリー(EFE)との僅差のスプリントを制しました。
そのすぐ後ろには、バーレーン・ヴィクトリアスのサンティアゴ・ブイトラゴの姿が。第7ステージでのクラッシュにより総合争いから脱落した彼でしたが、そこからの復調を示す力強い走りを見せました。

ツール・ド・フランス2025 – 第112回大会 – 第16ステージ
モンペリエ〜モン・ヴァントゥ(171.5km)– 2025年7月22日
ヴァランタン・パレ=パントル(フランス/スーダル・クイックステップ)、サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア/バーレーン・ヴィクトリアス)
撮影:POOL ヴァンサン・カル(スプリント・サイクリング・エージェンシー)©2025
コロンビア人のブイトラゴは、逃げに加わったフレッド・ライトと共に息の合った走りを見せ、ヴァントゥ終盤の“月面のような斜面”(15.6km・平均勾配8.7%)で抜け出した精鋭グループに食らいつける絶好のポジションを確保しました。
25歳のクライマーは、パレ=パントルやヒーリーの爆発的なフィニッシュには届かなかったものの、落車から11日間苦しみ続けてきたとは思えないほどの、まさに英雄的な走りを披露しました。

ツール・ド・フランス2025 – 第112回大会 – 第16ステージ
モンペリエ〜モン・ヴァントゥ(171.5km)– 2025年7月22日
サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア/バーレーン・ヴィクトリアス)
撮影:辻啓/スプリント・サイクリング・エージェンシー ©2025
リード・スポーツディレクターのロマン・クロイツィゲルは、ブイトラゴが復調の兆しを見せたことに強い手応えを感じていた:
「サンティはフレッドと共に動いたこと自体が勇敢だったし、第7ステージの落車からの復帰後に、勝利を争う位置で戦う姿を見るのは本当に嬉しかった。
今回の走りは、彼にとって大きな自信回復につながるはずですし、残り5ステージに向けての準備にもなる。チームとしても、彼がステージ優勝を狙える存在だと期待しています。」
水曜日に行われる第17ステージは、今大会最後の平坦寄りのステージ。ボレーヌ〜ヴァランス間160kmのコースには、カテゴリー4の登りが2つ設定されており、それぞれ1ポイントずつが山岳賞の対象となる。
レニー・マルティネスとタデイ・ポガチャルが山岳ポイントで60点で並ぶ現在、このわずかな登りが、フランス人ライダーが単独首位に立つチャンスとなる可能性もある。

ツール・ド・フランス2025 – 第112回大会 – 第16ステージ
モンペリエ〜モン・ヴァントゥ(171.5km)– 2025年7月22日
レニー・マルティネス(フランス/バーレーン・ヴィクトリアス)
撮影:シモン・グルハルスキ/CV/スプリント・サイクリング・エージェンシー ©2025