TEAMチーム・レース情報
クリテリウム・デュ・ドーフィネが今週末に総合争いの山場を迎える中、バーレーン・ヴィクトリアスのもう1つのチームが、次なる大一番である2025年ツール・ド・スイスに挑む準備を整えている。
この8日間にわたるレースは6月15日(日)から6月22日(日)まで開催され、総距離は約1,300km、獲得標高は20,000m超に及ぶ。今年のルートは最終日まで総合争いがもつれるよう設計されており、ラストはベッケンリートからストックヒュッテまでの登り10kmの個人タイムトライアルが総合順位を大きく動かすと予想されている。
今年は従来のようなプロローグ(短距離TT)がなく、開幕ステージ(129.4km)はキュスナハト周辺を周回するサーキット形式で開催される。スタート/フィニッシュ地点を複数回通過し、ミハエルスクロイツ礼拝堂への登坂で決着がつくこのステージは、スプリンターだけでなく、タイムロスを避けたい総合系選手にも早くから見どころのある展開となる。
その他の注目点としては、伝統的な山岳フィニッシュが存在しない点が挙げられる。しかし、登坂が少ないわけではなく、急勾配の登りが多く詰め込まれている。
第2ステージ(アーラウ~シュヴァルツゼー、177km)は、獲得標高2,700mで、緩やかに上るフィニッシュがスプリンターたちを苦しめる。
第3ステージ(アーラウ~ハイデン、195.6km)は、一見移動ステージに見えるが、アッペンツェル地方でのフィナーレがパンチャー系の選手に向いている。
第4ステージでは、最初の本格的なアルプスの試練が待ち受ける。スプリューゲン峠(2,113m)を越え、イタリアに入り、ピウロ(ヴァルキアヴェンナ)でフィニッシュ(193.2km)。登坂はゴールから50km手前だが、総合争いに影響を与えるだろう。
第5ステージ(ラ・プント~サンタ・マリア・イン・カランカ、183.8km)は大会最高地点となるジュリア峠(2,284m)、そしてサン・ベルナルディーノ峠(2,067m)を含み、最後は激しい登りでフィニッシュする“クイーンステージ”。
また、この日はバーレーン・ヴィクトリアスにとって特別な意味を持つ日だ。2年前、このレースで亡くなったジーノ・メーダー選手を追悼し、アルブラ峠に記念碑が建立される。ラ・プントでの式典では、「rideforGino」財団の正式立ち上げも発表される。
追悼の意を込め、チームの選手たちはオープニングステージで、Rudy Projectとのコラボによる特製の#rideforGinoヘルメットを着用する。このヘルメットはのちに財団へ寄贈され、ジーノの遺志を継ぐ活動を支援する。
昨年、トルステイン・トレーエン選手がゴッタルド峠で区間優勝し、#rideforGino山岳賞を獲得するなど、チームはジーノに勝利で応えている。
スポーツディレクターのミハウ・ゴラスはこう語る:
「今年もあの感動を再現できたら最高ですね。今年は総合順位よりもステージ優勝に重点を置いた戦略で臨みます。いくつかのステージで我々にチャンスがあると見ています。フィンレー・ピッカリングは総合で上位を目指し、ペリョ・ビルバオはジロ後の回復具合を数日見てから判断します。ルートは極端に厳しくはないですが、最後の登りTTまで総合争いは続くでしょう。我々は毎日をクラシックのように戦い、各選手が狙えるステージをしっかり見極めていきます。」
第6ステージ(クール~ノイハウゼン・アム・ラインファル、186.7km)はスプリントの可能性もあるが、登り次第では逃げが決まる可能性もある。第7ステージ(ノイハウゼン・アム・ラインファル~エンメッテン、207.3km)も総合争いに影響を与える可能性があり、最終日の第8ステージは個人タイムトライアル(ベッケンリート~ストックヒュッテ、10km)で総合優勝が決まる。
2年ぶりにツール・ド・スイスを走るペリョ・ビルバオは語る:
「いつも通りタフなレースになるでしょう。平坦が少なく、登りが多い。今年はスプリンターには厳しく、ステージ狙いのチャンスが多い。ジロの後でかなり疲れているけど、体調が戻れば区間優勝を狙いたい。それが自分自身にもチームにも大きな目標になります。」
ゴラスは出場メンバーについて次のように語る:
「ペリョがしっかり回復することを願っています。そしてマテイ・モホリッチは、どのステージを狙うか見極め中。ニコロ・ブラッティはスプリント担当。ライナー・ケップリンガーは登坂でのアシストでありながら、逃げにも乗れる存在です。マティス・パーセンスとマックス・ファン・デル・メーレンは信頼できるアシストで、結果を狙うチャンスもあります。」
「我々はバランスの取れた良いチームを編成しました。あとは気持ち次第です。毎日をクラシックのつもりで戦い、すべてのチャンスを掴みにいく。それが、結果を出す唯一の方法だと信じています。」