ホセ・ヘルミダがレース会場に姿を表すと、そのユーモアなキャラクターからファンが集まり、スタートすると競技者として大歓声を集める。ワールドカップのクロスカントリーのトップ5に走る選手として活躍し始めて12年を数える2010年UCI MTB世界選手権XCOチャンピオン、ホセ・ヘルミダ。現役のクロスカントリー選手の中で最も長い期間、輝かしい成績を残して来た彼が、これまでも、そしてこれからも乗り続けるのがMERIDAのバイクだ。すべてのMERIDA製品は、ドイツのシュツットガルト近郊のマグシュタッド(Magstadt)にある、MERIDAヨーロッパR&Dセンターのエンジニアによって開発されている。2010年UCI MTB世界選手権XCOを制したホセ・ヘルミダや、アテネ五輪の金メダリストであるガン・リタ・ダールらMULTIVAN MERIDA BIKING TEAMのメンバーによる、レースと日々のトレーニングからのフィードバックは製品の開発に欠かせないデータとなっている。厳しいテストを重ねて出来上がった設計コンセプトは、ハイエンドバイク製造における世界の中心となっている台湾の台中エリアにあるMERIDAファクトリーで生産される。ヨーロッパR&Dセンターの設立から12年を数えるが、ヨーロッパでの開発は世界で認められ、エントリークラスから ハイエンドバイクまで、それぞれが高い評価を得ている。欧州で開発され世界70カ国で販売されるMERIDA。すべてのライダーに、私達の自転車への情熱を届けたい。
アテネオリンピック女子XCOゴールドメダリストにして、世界選手権XCOを5回制したガン・リタ・ダール、2007年マラソンXC世界選手権を制したラルフ・ナフ、そして2010年世界選手権XCOチャンピオンで、3度のオリンピック入賞経験を持つホセ・ヘルミダを抱える、ドイツを拠点とするMTBレーシングチームがMULTIVAN MERIDA BIKING TEAM。VOLKSWAGENとMERIDAを中心としたスポンサードの下、2002年のチーム発足以来、期待を上回る成果を見せて来たレーシングチームの存在は、MERIDAのバイク開発にとって最も重要なパートナー。市販車の開発には、チームライダーもテストに協力しフィードバックが反映されている。
FOR MORE INFORMATION:http://www.team-multivan-merida.com
2012シーズンに誕生したMIYATA-MERIDA BIKING TEAMは、国内のタイトルを目指すと同時に、MERIDAが最も高性能で魅力的なブランドであり、安心して楽しいライディングを行って頂けるバイクである事を伝えるために作られたレーシングチーム。国内最高峰のMTBシリーズレース「JCF MTB JAPANシリーズ」を中心に国内外のレースに参戦。2012シーズンは、エースの斉藤亮がジャパンシリーズで3勝をあげ、個人総合、そしてチームでのナショナルランキングで暫定1位(8月20日時点)となっています。
FOR MORE INFORMATION:http://www.merida.jp/team/
国内トップのクロスカントリースキー選手として全日本チャンピオンを含む国内外の数多くのタイトルを獲得した後にMTBに転向。XCスキーのトレーニングとして乗って来た経験と優れた心肺 機能、ボディバランスを併せ持ち、恵まれた体格を活かしたダイナミックなライディングスタイルが魅力。現在、最も急成長しているライダーの一人と言われる。
1980年9月30日生まれ、身長176cm、体重62kg
2012 JCF MTB ナショナルランキング1位
(2012年8月20日現在)
2012 JCF MTB全日本選手権XCO 3位
熊本県出身の若手ライダー。速くなりたい一心で、日本におけるMTBトレーニング最適地でもある長野県松本市に拠点を置く。2011年の全日本選手権では20位、2012年ではジャパンシリーズで最高6位、全日本選手権で14位に入るなど、これからの飛躍を期待出来る選手。
1987年12月19日生まれ、身長167cm、体重55kg
2012 JCF MTB ナショナルランキング10位(2012年8月20日現在)
2012 JCF MTB全日本選手権XCO 14位
10年間。ホセがU23カテゴリー(23歳以下の選手のみによって行われるカテゴリー)でのUCI MTB世界選手権XCOを制してから、エリートカテゴリーで世界選手権を制するまでに要した時間。自転車選手のキャリアにとって10年間という時間とは、永遠にも等しい時間だが正に10年間の苦労を経て、ホセはMERIDAのバイクと共に世界の頂点に立った。1996年のジュニアカテゴリー優勝を含めると、史上3人目の3カテゴリーでの世界選手権優勝者という事になる。他の2 名は、ジュリアン・アブサロン、ニノ・シューターだ。ホセは、1978年8月24日スペインのカタルーニャ州、フランスとの国境の街であるプッチェルダーに生まれた。ホセ曰く、「小さい頃は、とにかく走り回っていた記憶がある。どんな時もだ。だから、将来は何かしらプロのアスリートになっていたとしても不思議ではなかったよ。」そして、自転車との出会いは、「実はあまり覚えていないんだ。記憶によれば小さい頃から乗っていたけど、少なくとも小学校に入る頃は自転車は人生の中心ではなかった。中心はスケボーだったね。本格的な自転車との出会いは、1991-92年の世界的なMTB ブームの時だ。坂の街だったからスケボーで苦労していた所に、ある日友人がMTBで現れたんだ。やりたい事をすべてかなえてくれるMTBに衝撃を受けたのは言うまでもない。」と語っている。
こうしてMTBが青春の中心となったホセは、1992年の暮れに友人と共に近所の街で開催されたMTBレースに参加して、いきなり優勝する。2度目のレースは簡単なことではなかった。「このとき、MTBは簡単な競技じゃないって知ったんだ。」家族と一緒に地方レースからスペイン選手権を巡るようになり、「1995年にドイツで開かれた世界選手権を初めて観に行ったんだ。今、一緒にレースをしている仲間のサインを沢山貰ったよ。」96年には世界レベルのジュニアカテゴリーでレースをするまでに成長したホセは、世界選手権のジュニアカテゴリーで優勝した。順調にキャリアを重ねたホセは2000年、シドニーオリンピックのスペイン代表に選ばれ4位という成績を残す。当時としては、無名の選手が世界のトップを相手に表彰台まで22秒に迫った事は多くの観客の記憶に残った。また、この年の世界選手権でもU23カテゴリーで優勝している。
このまま世界の頂点に上り詰めるかに思われたホセの前に壁が現れた。ワールドカップでは、度々表彰台に上る走りを連発するが、なかなか届かない世界選手権での表彰台。2004年のアテネオリンピックでは、ジュリアン・アブサロンを追いつめる走りを見せたが2位に終わる。ホセはこの後MULTIVAN MERIDA BIKING TEAMに加入し、チームと共に自分の思い通りの走りを実現してくれるバイク作りに取り組んだ。「チームは本当に居心地が良い。自分の事を信頼してくれているし、自分もチームの事を信頼している。バイクについてコメントをすると、きちんと仕上げたバイクを持って来てくれるからこそ自分も本来の能力で走れる。」こうして”アップストリーム”に乗る事が出来た。そして、2010年の世界選手権。大歓声の中、ゴールラインを最初に通ったのはホセであった。10年間という時間についてホセは「願いは諦めないで自分を信じて努力し続けると必ず叶う。」と語る。2012年、ロンドンオリンピックを4位で終えたホセの目は既に先を見据えている。
レーサーの夢とも言えるキャリアを持っている現役のクロスカントリーライダーが、ガン・リタ・ダールだ。オリンピックでのゴールドメダル、4度のXCOと3度のマラソンでの世界選手権優勝、4度のワールドカップ総合優勝と28回を数えるワールドカップでの勝利、そして欧州選手権、ノルウェー選手権での数多くの勝利。ガン・リタ・ダール、それはMTBレースにおける現在進行形の伝説的レーサー。(2012年8月20日現在)MULTIVAN MERIDA BIKING TEAMにとって、長い間彼女がチームジャージを着てスタートラインに立っている事は誇りそのものだ。
1973年にノルウェー南東部のStavengerに生まれたガン・リタは、幼少時から陸上、サッカー、ウィンタースポーツなどに親しんで来た。サイクリストとしてのキャリアは、大学でジャーナリスト専攻を学んでいた1995年に始まった。わずか2ヶ月程、周りのサイクリストとファンライドを行っただけで出場したノルウェー選手権で優勝。その1ヶ月後にはスカンジナビアン選手権でも優勝している。その年の夏に、初めてのUCIワールドカップに参戦を果たし、秋にはプロとして契約するに至った。その後の結果については戦績がすべてを物語っている。
最愛の息子が誕生してからは、新しい家族との時間を過ごすようになる。しかし、育児休暇の後の最初のレースでガン・リタは、レースをリードし続けられる事を証明した。トップレベルのアスリートにとって、一度ワールドカップの最前線から離れた後で戻ってくる事は簡単ではないが、ガン・リタはその後の活躍でこれが可能である事を証明してみせたのだ。2010年はヨーロッパマラソン選手権で2位、ノルウェー選手権のXCOでナショナルタイトルを取るまでにコンディションを上げ、2011年はヨーロッパ選手権XCOをも制した。2012シーズンのガン・リタは、8月の時点で既にワールドカップで2度の勝利を収め、世界の最前列のレーサーとして今も戦っている。
長い間、MULTIVAN MERIDA BIKING TEAM 所属のアスリートとして走るガン・リタはチームについてこう語る。「チームは私にとってアスリート人生の大きな部分を占めていて、家族のようなものでもある。私を信頼して長い間サポートを続けてくれており、それによって私もひとつのシーズンだけでない長い期間での調整と計画が可能になっている。もしもチームが望むなら、アスリートとしてのキャリアを終えるその日まで、チームと共に走り続けたい。」
2012年ロンドンオリンピックでは、スタートループ後の落車により失意の結果に終わったが、ガン・リタは2012年UCI MTB世界選手権XCOでシルバーメダルを獲得。2013シーズンの5度目の世界選手権制覇に向けたトレーニングが既に始まっている。
単純なスチールチューブからレーシングバイクを作り上げていた時代は、芸術的なセンスが良いバイクを最高のバイクに仕立て上げる手段だった。もちろん、その時代は過去の話である。現代のバイク開発では、ハイドロフォーミングやテクノフォーミング製法で3次元チューブを作り上げるアルミフレームや、カーボン素材のように方向性を持った繊維の配置やレイアップ次第で乗り味が変わるカーボンバイク、バイクの目標性能の為に力学的な計算によって導かれるリアサスペンション構造の開発が行われる等、リアルサイエンスが重要な要素だ。自転車は、既に単純な自転車と呼んで良い代物ではないと言える。結果としてテクノロジー的な要素と構造的な要素が混じり合い、設計上で求められた正しい性能を発揮させる事が可能となった。
ゆえに、MERIDAではR&Dセンターのエンジニアと試作車の製作チームが、同じドイツのマグシュタッド(Magstadt)近郊で綿密なコミュニケーションを取りながらバイクを作り上げている。このようにして、エントリーモデルのクロスバイクからワールドカップを戦うレーシングバイクまで、すべてのモデルにおいて開発初期の目標がそのまま現実のものとなりユーザーの手に渡る。
MERIDAの国際的な組織と70ヶ国の販売網が、このバイク開発に大きな役割を果たしている。世界中でマーケティングや販売の現場から、トレンドやライダーの要望を吸収し、各国のジャーナリストと情報を共有している。このようにして集められた情報が、MERIDAのヨーロッパR&Dセンターに集められ新モデルの開発に活かされている。
バイク開発のスケッチ段階においては、フレーム素材やバイクの機能が決定される。初期の大枠のデザインが決定すると、サスペンション機構やフレームの最適化をソフトウェア解析によって導き出す。この時点で、それぞれが高いレベルのアスリートとしても走るエンジニア自らの経験値に基づいて、実際の使用条件で必要なタイヤクリアランスやブレーキ能力を組み込んで行く。こうしてコンピューター上での設計が完了すると、プロトタイプモデルが製作され、現実の世界で世界最速のライダーやR&Dチームによってテストを繰り返され、最終的な製品になっていく。台湾での生産が開始される前に最終的なプリプロダクションバイクは、すべてのサイズが、ヨーロッパの基準に基づいたテストを行い、更に外部の第三者機関によってストレステストやオーバーロードテストが行われる。この非常に厳しい安全基準をクリアしたモデルのみが生産され世界のマーケット、そしてユーザーに向けて出荷されている。
サスペンションのトラベル量が大きくなるにしたがって、それはエンジニアにとって大きなチャレンジとなります。スムースな作動感と反応性、ニュートラルポジションでの安定したシャシーのバランス。MERIDA のエンジニアはこの難しい挑戦にひとつの答えを発見しました。それがVPK(バーチャル ピボット キネマティック)です。
「140mm 以上のトラベル量を持つバイクに求められる性能をすべて
満たすためにVPK 搭載のリアサスペンションを開発した。」
Thomas Pfrommer, Bike Product Manager
この数年間、フルサスペンションバイクでは多くの技術的革新がありました。絶える事の無い、フレームとコンポーネントの軽量化は、特に120mmトラベル以上のカテゴリーで顕著です。故に、アルプスの峠越えのライディングを楽にこなすために140mmや150mmのオールマウンテンカテゴリーのバイクを持ち出す事は驚くには価しません。また、160mmトラベルのエンデューロカテゴリーのバイクのヒルクライムは、なんとか登れるというレベルをすでに超えています。フルサスペンションバイクは、ハードテイルより快適なだけでなく圧倒的に優れたパフォーマンスを約束します。例えば2つのホィールはサスペンションのおかげで路面バイクに対して常にトラクションをかけ続けるので、ハンドリングはコントローラブルでより正確なものとなります。
事実として、より長いトラベル量を持つバイクになればなるほど軽量化が進んでいるので、これらのバイクで登ろうとするライダーが急激に増えています。これに応えるバイクを開発する事はエンジニアにとってまさにチャレンジングな事です。ほんの数年前までは、ほとんどの160mmトラベルのエンデューロバイクは、ピックアップトラックに積んで山頂まで運び、ダウンヒルを楽しむというのが定番の遊び方でした。しかし、今日のエンデューロバイクは、もちろんダウンヒルを楽しむ為のサスペンションはそのままに、ペダリング時やブレーキング時の不要なサスペンションの動きを抑え込んでいます。MERIDAのR&Dチームは、スムースな作動感と反応性、ニュートラルポジションでの安定したシャシーのバランスを両立する構造を開発しました。それがVPK(バーチャルピボットキネマティック)です。
エンジニアによって創り出されたこの仕組みは理論上では非常に単純な原理ですが、それを完璧に作動システムにするのは非常に難しい事です。シングルピボットシステムによって支えられるリアステーは、その軌跡がそのままリアホイールの軌跡となります。一方でバーチャルピボットを持つマルチピボットのシャシーでは、シングルピボットに比べて自由に軌跡を設計する事が出来るので、バイクの性格を思い通りに作り上げる事が出来ます。
"最適にチューニングされたVPKなら、120mm以上の長いトラベル量を持つフルサスペンションバイクで思い描いた通りの理想的なサスペンションの動きを実現することが可能です。"とMERIDAのエンジニアのThomas Pfrommerは言います。VPKの狙いはダウンヒル用サスペンションとしてだけでなく、楽しく登れるロングストロークバイクを作り出すことにあります。入念にVPKによってチューニングする事でリアステーの軌跡を1mm単位で設計する事が出来るので理想的な動きを実現出来ます。VPKは一般的なバーチャルピボットと異なりサスペンションのボビングを抑制するように設計されています。これによって一番小さいチェーンリングでも、サスペンションの作動に影響する事はありません。特にライダーがサドルに座ってペダリングする時に効果を発揮します。
サスペンションが沈み込む際にチェーンが引っ張られる事から発生するペダリングキックバックをMERIDAのVPKでは極力少なくなるように設計しています。最後に残るのはマルチピボット構造によるシャシー剛性の低下ですが、Thomas Pfrommerはこう語っています。「任務は完了済みだ」。
フルサスペンションバイクのメインフレームとリアスイングアームは複数のピボットで繋がっています。この数は、バイクのコンセプトによって決定されます。リアサスペンションユニットはサ スペンションの最後のフィーリングを決めるものです。 サスペンションの性格の大半は、リアステーのピボット位置とリアホイールの描くストロークの軌跡によって決まります。バーチャルピボットを採用したフルサスペンションバイクは、ピボット の位置によってその作動感をより自由に設計出来ます。シングルピボット(これは特定の目的では素晴らしい性能を発揮します)などの他のシステムと比べると、バイクのキャラクターを設計範囲 を大きく広げることが出来るサスペンションシステムと言えます。
バーチャルピボットシステムは140mm 以上のトラベル量を持つフルサスペンションバイクで特に効果を発揮します。一般的なバーチャルピボットを採用したバイクではダウンヒルに特化した方向に進化し続けていますが、MERIDA では設計自由度の高いVPK を2013 モデルのONE-FORTY、ONE-SIXTY、FREDDY に搭載し、ダウンヒル性能はもちろん、ヒルクライム性能も両立しました。
VPK を採用したバイクの優れた衝撃吸収性能は、ブレーキング時でも影響を受け難く設計されています。また、設計によってはブレーキに触れただけで、フルサスペンションバイクのリアは完全 に「リジッドバイク」になってしまいます。特に過激なダウンヒル走行時には、このような設計ではライダーの安全にも影響が出てきますが、VPK なら安心です。フルブレーキング時でもサスペンションはアクティブな状態に保たれます。また変速性能やチェーンにとっても負担の少ないシステムとなっており、キックバックは少なくペダリング時のボビングは最小限に抑えられています。
レースをするなら100mmトラベルのバイクが最速の選択肢です。29erは、ダウンヒルスピードとコーナリングスピードを高めてくれるだけでなく、ヒルクライム時のトラクションも大幅に増えます。つまり、”最高”。BIGNINETY-NINEはサラブレッドの100mmトラベル29erです。
MERIDAが2012モデルとしてレース用のNINETY-NINEを発表した時から、そのアドバンテージは明らかでした。このバイクは、トップレベルのワールドカップレースに投入されるだけでなく自転車のジャーナリストも熱狂させるものでした。発表後に行われたテストで、ドイツのBIKEマガジンは、2011年10月号でこう述べています。「MERIDAのNINETY-NINEはレーサー達に衝撃を与えるだろう。テスト結果:Superb(最高)」
さらに、私達のフラッグシップの29er、BIG.NINEも同じ評価を得てきました。この2つの結果から、質問される事はただ一つ。「なぜ、この2つの最高のバイクを組み合わせたものが存在しないのか?」
私達の新しい29erフルサスペンションバイク、BIG NINETY-NINEを紹介しましょう。これがMERIDAのエンジニアからの回答です。
26インチバージョンのNINETY-NINE同様に、29インチのBIG NINETY-NINEはレーサーからの要望を真剣に受け止めて設計されています。パワーの伝達効率と加速を最優先したジオメトリー、完全にロックアウト可能なシャシー。レース用のサスペンション設計は、優れた路面追従性を実現しながら、ボビングを発生させません。そしてピボット位置は、コンパクトダブルクランクセットだけでなくトリプルギアも装着可能なものとなっています。29インチのこのバイクは、既に定評ある26インチバージョンから多くのフレームテクノロジーを受け継いでいます。しかし、26インチと29インチのバイクには決定的な違いがあります。
「基本的に29erというのは、ハードテイルでもフルサスペンションでも、26インチバージョンとはまったく異なる設計で作られます。なぜなら、26インチと29インチで異なるキャラクターが求められるためです。」とMERIDA R&Dチームのトップを務めるJuergen Falkeは言います。例えば、29erの大きなホイールにより高くなってしまうフロントエンドは、レーサーの求めるフロントホイールへの加重を増やしたいという要望から、出来る限り低く設計されます。故にBIG NINETY-NINEのヘッドチューブは26インチバージョンのNINETY-NINEより20mmも短く設計されいます。さらに、フラットトップのヘッドセットが出来る限り低いハンドルポジションを可能にしています。
BIG NINETY-NINEのリアステーには特徴的な構造が採用されています。大きなホイールの採用で失われがちな俊敏性を確保する為に、チェーンステーの長さは可能な限り短く作られています。142mm幅の12mmスルーアクスルを採用したリアハブによってリアバックの剛性は大幅に向上しています。これによって、BIG NINETY-NINEのダウンヒルスピードに求められる性能を実現出来ました。ロッカーリンクのピボット位置は、フレームジオメトリーに合わせてゼロから設計し直されています。レーサーから要望の多い、2×10SPEEDのコンパクトドライブトレインにも対応しています。NINETY-NINEで実績のあるシートチューブの前方に縦置きされたリアサスペンションユニットとロッカーリンク構造のアドバンテージは、BIG NINETY-NINEでも同様に体感することが出来ます。
市場投入最初のモデルイヤーでありながら、29erファンの要望に応えるためBIG NINETY-NINEは幅広いラインナップを用意しています。軽量なアルミニウムメインフレームモデルから、カーボンメインフレームとアルミニウムスイングアームの組み合わせモデルまで、29erフルサスペンションはレースのスタートラインから飛び出した瞬間に、その実力を発揮します。
その大きなタイヤの直径とエアボリュームにより、29erは快適な乗り心地を実現するだけでなく優れたトラクション性能を発揮します。この特徴はテクニカルで急な上り坂で効果を発揮します。特に木の根や滑り易い草などでホイールスピンしてしまう様な状況では顕著です。BIG NINETY-NINEの反応性に優れたサスペンションにより、29erのアドバンテージは更に増強されます。
ヘッドチューブに1.5インチベアリングを採用したXテーパーヘッドチューブとステアリングコラムにより、BIG NINETY-NINEはハンドリングとブレーキ時のコントロール性能を向上しています。上側1-1/8"、下側1.5"のテーパー形状のステアリングコラムは軽量であると同時に剛性に優れ、29erレーシングバイクの性能向上のために欠かせない装備です。更に、26インチバイクと比較して少し長いホイールベースとスルーアクスルを採用したリアエンドの剛性が、フルスロットルでのダウンヒルを可能にします。
ハンドルバーからのリモート操作で完全にロックアウト可能なリアサスペンションと、捻れ剛性を高める為に採用したBSAボトムブラケットにより、レース用のフルサスペンション29erとしてのBIG NINETY-NINEのパワー伝達効率は最高クラスのものです。
MERIDA では2012 年モデルより、メリダ・グローバル・ディーラー(MGD)制度を開始しました。MERIDA のラインナップの中でも、専門性が高く組み立て、アフターサポートに高度な商品知識が要求されるモデルは「MGD」契約販売店においてのみ取り扱われます。お客様はサイズ選びやセッティングなど、購入の前後を問わず確かな商品知識と技術により「MGD」取り扱い限定モデルにふさわしいサポートを受けられます。
![]() |
分割式モノコック構造でフレームを作る事で、BB 周辺やヘッド回りなどのストレスが掛かる部分への負担を下げ、軽量化を実現するテクノロジー。モジュール同士はインターナルジョイント、もしくはチューブto チューブの適材適所の接続方法によって接着される。
![]() |
Anti Wrinkle System(しわ防止構造)の略称。カーボンフレームの製造工程で、チューブ内に挿入されるシリコンの形状を最適化し、シリコンを引き抜いた際に出来るチューブ内のシワを無くし、美しい内部構造と、高い構造剛性、そして製品としての耐久性や信頼性を向上している。
![]() |
カーボンチューブ内にリブを設けたMERIDA 独自のテクノロジー。2つの独立したチャンバーを持たせる事で、曲げや捻れ剛性を大幅に向上。同時に、衝撃への耐久性も向上しつつチューブの軽量化にも繋がる。
![]() |
カーボンチューブの成型時に使用するエポキシ素材にナノテクノロジー素材を配合し、チューブの構造としての強度を高めるテクノロジー。走行中の石などのヒットに対して従来比で40%強いカーボンチューブの製造が可能になった。
![]() |
シートステー、チェーンステーの形状を扁平とする事で、路面からの衝撃を吸収して快適性を向上するマイクロサスペンションテクノロジー。
![]() |
カーボンファイバー製フロントフォーク。ステアリングまでカーボンで作られたフルカーボンフォークを採用する上位モデルもある。
![]() |
機械圧縮による3次元シェイプのアルミチューブ製法。従来円形チューブでは不可能な理想的な応力特性を持ったフレーム製造を可能にする。Racelite 6061 アルミニウムと組み合わせられる。
![]() |
水圧成型によってチューブを成型するハイドロフォーミング製法を採用したフレーム。Prolite アルミニウムと組み合わせられる。
![]() |
MERIDA のラインナップの中で最高級の6066 高張力アルミニウムを採用したフレーム。チューブの厚みに変化を持たせたトリプルバテッドを採用。
![]() |
MERIDA アルミフレームの象徴であるショットガンシェイプのダウンチューブを採用した6061 アルミニウム製フレーム。
![]() |
リアに向かってスリムな形状になって行く、テーパー形状のトップチューブ。ヘッド周りの剛性とシート周りの快適性を両立。
![]() |
ダウンチューブの下側にツインカーブを持たせたMERIDA 独特のチューブ形状。曲げと捻れ剛性を大幅に向上する。
![]() |
チューブの中心部が太いエッグシェイプのヘッドチューブと、セミインテグレーテッドベアリングを組み合わせて、ヘッド周りの剛性を高めたヘッドチューブ構造。
![]() |
下に行くに従って広がるコーン形状を採用したヘッドチューブ。下ワンにはセミインテグレーテッドベアリングを採用する。
![]() |
外部バテッドしたヘッドチューブ形状と下側1.5 インチの大径ベアリングを持つテーパーヘッドセットを採用。ヘッド周りの剛性だけでなくフォークまで高剛性化する事で、ハンドリングの正確さを向上する。
![]() |
スムースな溶接跡を実現する溶接技術。美しい外観と、溶接強度の両立を実現。
![]() |
30mm の大径BB スピンドルを採用する事で、高剛性を実現したBB 規格。専用規格のフレームと組み合わせられる。
![]() |
キックスタンドをボルトオンで装着可能にした、キックスタンド台座。ディスクブレーキとも干渉しない設計。
![]() |
リアブレーキケーブルをトップチューブに内蔵化して、美しいルックスを手に入れた構造。一部のモデルでは、シフトケーブルもダウンチューブに内蔵化されている。
![]() |
サスペンションフォークのクラウンや、リアユニットに装着されたレバー、もしくはダイヤルで、サスペンションをロックアウトしてリジッド状態での走行を可能にするシステム。
![]() |
ハンドルバーにマウントされたレバーによりサスペンションのロックアウト操作を出来る、リモートシステム。
![]() |
![]() |
ディスクブレーキキャリパーをフレームのリアドロップアウトに直接装着出来るディスクブレーキマウント。キャリパーの調整を容易にしている。
![]() |
Merida Optimized Ride Engineering の略。バイクの性格に合わせた理想的なリアサスペンションの作動を可能にするサスペンションシステム。
![]() |
ディスクブレーキキャリパーをフレームのリアドロップアウトに直接装着出来るディスクブレーキマウント。キャリパーの調整を容易にしている。